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日常生活にも支障を来たすほどの不安に襲われる「不安症」とは? 症状や原因、治療法について紹介します。

日常生活にも支障を来たすほどの不安に襲われる「不安症」とは? 症状や原因、治療法について紹介します。

日常生活にも支障を来たすほどの不安に襲われる「不安症」とは?

症状や原因、治療法について紹介します。

 

大勢の人の前で話すときや大事な試験のときなどに緊張して汗をかいたり、心臓がドキドキしたりした経験は誰でも一度はあるのではないでしょうか。しかし心配や不安が大きくなり過ぎてしまい日常生活に影響が出ている場合、それは「不安症」かもしれません。
今回のコラムでは、不安症とは?原因や治療法についてご紹介いたします。

 


 

不安症とは

「不安症群」というのは、精神的な症状が出る疾患の中で、不安を主症状とする疾患群をまとめた名称です。その中には、特徴的な不安症状が出るものや体の病気や物質によるものなどが含まれています。
「不安症」は以前「不安障害」と言われていました。両者は同じ意味になりますが、「障害」という言葉が、重篤で治らない疾患などと誤解されやすいことから、最近は「不安症」と呼ぶことが推奨されています。

元々正常な反応であるはずの不安が、日常生活にも支障を来たすほど強く長く続いたり頻繁に起こるようになり、それと共に動悸や呼吸困難、めまい、不眠、イライラなどの不安発作(パニック発作)が起こることをいいます。
不安症には、社交不安症、全般不安症、パニック症など、いろいろな症状が含まれます。また障害が起こる周期や時間、強さも様々です。
不安症群には「○○不安症」のほかに「○○恐怖症」があり、不安だけでなく恐怖も対象となっています。不安と恐怖は一見似たような状態を指すように思われがちですが、正確には不安は「漠然とした特定の対象がない恐れの感情」であり、恐怖は「はっきりとした外的対象のある恐れの感情」です。いずれも「恐れ」という感情がベースになって、行動の不具合や身体的症状が出現します。

●不安症と診断される基準

不安症は「何らかの不安や恐怖によって生活に支障がでたり、苦しい思いをする」ことが続くと診断されます。「生活に支障がでるような」不安や恐怖から行動に制限がかかったり、疲労感や睡眠障害などの身体的な症状が続いている場合は、不安症の可能性があると言えます。
「ほとんどの時間、心配や緊張・不安を感じて、悩まさる」、「頻繁に緊張・イライラし、睡眠の問題がある」、「湧き上がってくる不安や恐怖を『自分でコントロールできない』感じがある」など、これらの質問への答えが「はい」の場合は、まずは精神科や心療内科を受診することも検討してみてください。
不安症

 

不安症の治療法は

不安症の治療では、薬物療法と精神療法が知られています。

●薬物療法

「今現在出ている症状を抑える」という点では、ひとまず日常生活を送れるようにするために有効な方法です。ただ、出ている症状を抑えるだけなので、例えば熱が出た時に解熱剤を飲んで熱を下げるのと同じように「熱の原因はなくなっていない」ことを理解して服用する必要があります。薬物療法で症状が一時的になくなっても、その症状を引き起こしている根本的な原因が解決できたわけではありませんので、薬で安心できる状態を保ちつつ、精神療法で根本解決を図ることが重要です。

●精神療法

病気の特徴についての情報提供(疾患教育)や、不安症のタイプに合わせた精神療法などが知られています。不安や恐怖を呼び込みやすい「考え方のくせ」に気付いて普段からそれを修正するようにしたり、不安を避けずに乗り越えた経験を確認する中で、生活に対する症状の影響を少なくしていきます。

自分ももしかしたら当てはまるかも…と感じた場合には、まずはお勤め先の産業医や専門医にご相談いただくことをおすすめします。

出典:厚生労働省 こころもメンテしよう 不安障害
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット 不安症/不安障害
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-055.html
出典:厚生労働省 ヘルスケアラボ 不安症群
https://w-health.jp/delicate/anxiety_disorders/

 

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