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あんなにあった仕事への情熱や意欲が急に失ってしまったなんてことありませんか?もしかしたらそれ燃え尽き症候群かも?~主な症状から予防ポイントまで~

燃え尽き症候群とは

燃え尽き症候群とは、別名「バーンアウト」と呼ばれ、それまで熱心に仕事に取り組んできた人が、まるで燃え尽きてしまったかのように仕事への情熱や意欲を失ってしまい、パフォーマンスが低下する状態になることをいいます。

燃え尽き症候群になると、休職だけでなく場合によっては離職してしまうケースもあります。

もともとは看護師や教師などの対人援助職(ヒューマンサービス)と呼ばれる、人と関わることが多い職種の人に起きやすいとされてきましたが、今ではそういった専門職に限らず、日頃から対人関係にストレスを抱えている人が多く、大きな仕事や目標が終わった後の疲労感や無気力感から燃え尽き症候群になる人も増えてきました。

燃え尽き症候群の3つの症状

燃え尽き症候群になると、心身が極度に疲弊した状態が続き、仕事だけでなく日常生活にまで影響を及ぼしてしまいます。下記に燃え尽き症候群の主な3つの症状をご紹介します。

①情緒的消耗感

これは、仕事によって情緒的な力を使い果たし、消耗しきっている状態になると疲労感を強く感じるようになります。仕事がおっくうになって、思いやりのある対応ができなくなったり、自分の感情を感じられなくなったりするなど。気持ちのエネルギーを使う作業を日々繰り返している状態であれば、バーンアウトになるリスクを高めてしまうでしょう。

②脱人格化

これは、自分の感情を失って人間らしさがなくなり、相手に対して思いやりのない態度をとってしまうことです。情緒的なエネルギーが枯渇した状態になると、それ以上の情緒の消耗を防ぐため、防衛反応として「脱人格化」と呼ばれる行動が見られるようになります。たとえば、終始マニュアル的な対応をする、人と関わることを避けるなどです。

③個人的達成感の低下

これは、自分に対する自信や達成感が低下することをいいます。仕事にやりがいを持てなくなり、以前は感じていた達成感が感じられなくなると、周りの目にも明らかなくらい大幅にパフォーマンスが低下します。そうなると今の仕事を辞めることを考えたり、自殺など強い自己否定の行動が現れることも少なくありません。

燃え尽き症候群になりやすい人とは

もちろん、対人援助職であってもならない人もいますし、大きな仕事や目標が終わった後でもまたいつも通り日常に戻れる人もいます。
では、どんな人が燃え尽き症候群になりやすいかというと、責任感が強く、仕事熱心な人ほどなりやすいといわれています。また不安感が少し強いことや些細なことが気になりやすい傾向にある人。前者は、全ての仕事を完全にやり遂げることを必要以上に求めてしまい、自己犠牲の上であってもそれを達成しようとしてしまい、後者は、自分の評価を上げるために死に物狂いで仕事に没頭し、結果として燃え尽き症候群になってしまうのです。
これはあくまでも一般的な内容のため、必ずしも全員の人に当てはまるわけではありません。

しかし燃え尽き症候群には、共通点として精神的に大きな負担が長く続いていることがあります。

燃え尽き症候群は、一般的なストレスより、長期的な期間を経て起こるため、普段からの予防がとても重要です。

燃え尽き症候群にならないために

燃え尽き症候群にならないために、いくつかのポイントをご紹介します。

  • オンとオフをきっちり分け、しっかり休養を取る
  • 他人と自分は違うことを理解する
  • 冷静で客観的な態度を持つ
  • 仕事だけに幸福を求めない
  • 周囲からのサポートを得る

また、燃え尽き症候群の予防や対策には、個人としての取り組みだけではなく、職場全体の協力も必要です。
従業員どうしがコミュニケーションを取り合い、お互いに相談しやすい環境を築いていくことも燃え尽き症候群の予防につながります。

そして、もしすでに燃え尽き症候群の症状が見られる場合は、回復に向けた対処が必要です。
燃え尽き症候群の回復には「休養」が大切です。肉体的だけでなく精神的な疲れも休養で回復させましょう。

それでも回復しない場合や、周囲に相談できる人がいない場合は、医療機関などの専門家に相談することをお勧めします。問題を一人で抱え込まないことが何よりも大切です。


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