
2015年12月から施行された、厚生労働省が推進する職場のメンタルヘルス対策の一環で、「労働安全衛生法」の改正により、従業員数50人以上のすべての事業所に対し、労働者のストレスの程度を把握するために、年に1度、医師や保健師による検査(ストレスチェック)を義務づける制度のことです。
制度導入の背景
1・年間自殺者数の増加
平成25(2013)年の我が国の自殺者数は27,283人であり、3万人を下回りました。しかし依然高水準であることには変わりありません。この27,283人のうち動機が特定できた20,256人の内訳を見ると、被雇用者・勤め人が7657人です。その中で、原因・動機に「勤務問題」が含まれていたのは1895人(24.7%)だったことが分かっています。
(出所:内閣府資料)
2・精神障害等の労災補償状況
年度により増減はあるものの、請求・認定件数ともに高水準で推移しています。平成24(2012)年の支給決定件数は475件(前年度比150件の増)で、過去最多となっています。
(出所:厚生労働省広報)
3・労働安全衛生法に「質」の視点を
労働安全衛生法では、時間外労働(1カ月あたり100時間を超える)という労働の「量」に対して医師による面接指導の実施を義務化するなどして着目していますが、メンタルヘルスの不調の要因には、仕事への評価や仕事を取り巻く人間関係などの、労働の「質」も大きく関わります。今後は「質」に対しての注意喚起や、法による対応策の義務化を図る必要性が出てきます。
4・総合的なメンタルヘルス対策の促進
メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所の割合は、年々増加していますが、全体的にはまだ多くの事業所が対応できていないのが実情です。そのため、総合的なメンタルヘルス対策の促進が必要であると考えられます。
■ストレスチェック制度導入のメリット
ストレスチェックを実施することで、事業所、労働者、それぞれにメリットがあります。
どのようなメリットがあるかみていきしょう。
☆事業者へのメリット
- 労働者の精神的な負担の状態や労働環境の現状を知ることができる。
- 現状の把握により、労働環境の改善やメンタルヘルス対策などの対応ができる。
- 必要な対応策を行うことで労働者のストレスが軽減され、労働の質や生産性の向上につながる。
- 組織としてコンプライアンス意識の向上がはかれる。
☆労働者へのメリット
- 自分のストレスの状態を客観的に把握することができる。
- ストレスに対してセルフケアを行うことができる。
- 必要に応じて、早期に医師などの専門機関への相談ができる。
最後に
このストレスチェック制度は、事業所がメンタルヘルスの問題に取り組む大きなきっかけとなりました。
ストレスはメンタルヘルスの不調や労働意欲の低下など、様々な問題を引き起こす種のようなもので、早期にケアすることが大切です。
この制度の結果を最大に活用して、労働者にとって働きやすい労働環境づくりをしていくことが重要だと考えます。
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