
2015年から義務化されたストレスチェック制度、2017年に厚生労働省が公表した調査結果でも、対象の事業所のうち2割強が未実施である事実が判明しています。
ストレスチェックの実施義務があるにも関わらず、未実施だった場合、罰則はあるのでしょうか?
■義務ではあるが、現段階では実施していないことへの罰則はない
「労働安全衛生法」にも、その罰則についての記載はなく、対象の事業所であっても、ストレスチェックを実施していないことに対する罰則はありません。
■ストレスチェック実施後、労働基準監督署に報告を怠った場合には罰則がある
労働安全衛生法第100条により、ストレスチェックの実施後、労働基準監督署に「心理的な負担を把握するための検査結果等報告書」という届けの提出が義務付けられており、その報告義務を怠った場合、罰則規定により50万以下の罰金に処せられます。
■ストレスチェックを実施しないことで安全配慮義務違反にあたることも
事業所には、従業員が安全で健康に働けるよう配慮する安全配慮義務があります。
安全配慮義務については、平成20年(2008年)に施行された労働契約法第5条で、下記のように明記されています。
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
引用元:労働契約法
事業所は労働者に対して、生命や身体の安全に対する配慮義務を負っており、ストレスチェックを実施するということは、安全配慮義務の履行の一環であると考えられます。
ストレスチェックの実施を怠り、労働者がメンタルヘルス不調となった場合、メンタルヘルスへの管理がされていなかったとして多額の賠償金を支払うリスクを負います。
ストレスチェック制度が義務化されたということは、事業所はストレスチェックの結果をふまえ、職場環境の改善にまで責任を負うということです。
平成26年11月1日から過労死防止対策推進法も施行され、労働者が過労死や過労自殺した場合、事業主の責任がより強く問われるようになり、安全配慮義務の重要性も増しています。
以上のことから、ストレスチェックを実施しない場合、労働安全衛生法違反での罰則にあたるだけでなく、労働契約法も違反にもなり得ることが考えられます。
■ストレスチェックの結果の保管を怠った場合も罰則の対象に
労働安全衛生法第120条1項により、労働者の同意を得て事業者に提供されたストレスチェックの結果を5年間保存することが義務付けられており、これを怠った場合も罰則の対象となります。
ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルス対策と職場環境改善活動を継続的に推進するという意義のある制度です。どういった場合に罰則があるのかをきちんと把握しながら、事業所としての実施義務を遂行することが望まれます。
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