
ストレスチェックは2015年12月から施行された制度です。2017年に厚生労働省から公表された調査結果によると、対象の事業者のうち、82.9%がストレスチェックを実施しました。
ストレスチェックの結果を受け、事業者は高ストレス者のうち、医師の面接指導が必要と判断された労働者に、その機会を提供する義務があります。
ストレスチェック後の面接指導ではどのようなことを行うのでしょうか。よくある疑問を7項目にしぼってみていきましょう。
1・面接指導の対象者は?面接指導は必ず実施しなければならないの?
面談指導の対象者は、以下の条件を満たした者になります。
- ストレスチェックの結果を受け、実施者に高ストレス者と判断された者
- 医師との面接指導を希望する労働者
高ストレスと判断されても該当者本人が面接指導を希望しない場合は、実施されません。
注意点として、労働者が面接指導を希望した場合、それをもってストレスチェック結果を事業者に提供することに同意したとみなされますので、トラブルを防ぐためにも、その旨を本人に伝え、了承を得る必要があります。弊社ではそういったトラブルが起きないためにも実施者を会社で選任することをお勧めしております。
2・面接指導は誰が行うの?
労働安全衛生法の第66条で、面接指導の実施者は医師と規定されていますが、厚生労働省の「ストレスチェック制度実施マニュアル」の中では、その事業所専属の産業医を面接指導の実施者とすることが望ましいとされています。
3・高ストレス者の選定基準は?
ストレスチェックの結果、以下の2点に該当する労働者を高ストレス者として選定します。
- 「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が高い者
- 「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項目の評価点の合計が著しく高い者
高ストレス者の基準については、事業所の安全衛生委員会による調査審議を経て事業者が評価基準を定めます。
4・面接指導は、いつ、どこで行うの
面接指導は労働者が希望した日から1か月以内に、一般の健康診断と同様に、原則として就業時間内に行います。曜日や時間帯を柔軟にして、労働者が受けやすい実施日時の設定が推奨されています。
実施場所は、周囲の目を気にすることがない、秘密が厳守されるような場所にしましょう。
5・面接指導の際、事業所側は用意するものは
①面接指導時に必要な情報
面接指導の際、医師が参考にする情報として以下の項目が挙げられています。
- 対象となる労働者の個人情報(氏名、年齢、所属する事業場名、部署、役職)
- ストレスチェックの結果
- ストレスチェック実施前1か月の労働時間・労働日数・業務内容
- 定期健康診断やその他の健康診断の結果
- ストレスチェック実施時期が繁忙期だったか、閑散期だったかの情報
- 職場巡視による職場環境に関する情報
②報告書・意見書を記入する用紙
事業者は、面談を実施した医師から面接指導の記録を提出してもらい、5年間保存する義務があります。そのため、事前に報告書・意見書用の用紙を準備しておくと良いでしょう。
報告書・意見書には、実施年月日、当該労働者の氏名、医師の氏名の記載を含む、面接の結果を記録する必要があります。
6・高ストレス者への指導の内容は
面接指導では、医師は以下の4点を確認します。
①ストレスチェックの3項目
→仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポート
②当該労働者の勤務の情報
→事業者があらかじめ提供するもので、労働時間や業務内容等など
③心理的な負担の状況
→ストレスチェック結果をもとに抑うつ症状等についてのヒアリング
④その他心身の状況の確認
→過去の健診結果や現在の生活状況の確認
これらの内容をもとに、ストレスへの対処技術を指導したり、労働者自身がストレスに気づき、予防や対処できるよう支援し、必要に応じて心療内科などの専門機関への紹介などを行います。
7・面接指導後に会社がとるべき対応は?
事業所は医師や産業医からの意見書を参考に、労働時間の短縮や勤務場所の移動、休職等の就業上の措置を行うかを決定します。
8・まとめ
ストレスチェック後の面接指導へのよくある疑問についてお答えしました。
どのような流れで面接指導が行われるかを理解し、事業所が主体となってメンタルヘルス不調の労働者に対して、心身ともにケアしていく体制をつくりあげることが必要です。
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