
運動とメンタルヘルス
厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動基準2013」では、生活活動や運動などの身体活動は将来的な疾病予防だけでなく、気分転換やストレス解消につながることでメンタルヘルス不調の改善に有効であるとしています。
そして近年では、運動はうつ病にも効果があるという研究結果も出ています。これは運動をすると、心を安定化させる働きをもつセロトニンやノルアドレナリンなどの分泌が増加し、うつ病の改善を促進するからと言われています。この脳内神経伝達物質のひとつであるセロトニンは、興奮やイライラを鎮めて精神を安定させる働きのほか、脳を覚醒させて活動を高めたり、睡眠に入りやすくさせるメラトニンというホルモンを分泌させたりなど、多くの役割を持っています。
さらにアメリカのプリンストン大学の研究チームは動物実験によって、運動をすることが脳のストレスへの反応が弱まり、不安を感じにくくなることもわかりました。
このように、医学的に運動はメンタルヘルスにも効果的であることがわかってきました。
どんな運動が効果的なのか
どんな運動をすればいいのかというと、無酸素運動よりも適度な有酸素運動を行うと効果的です。普段あまり運動をする機会がない方はまず、ウォーキングやゆっくりした短距離のジョギングなどから始めるといいでしょう。
けれど、運動することがストレスになるほど無理に行う必要はありません。気分がそぐわない、体調があまりよくない、などの時はストレッチや呼吸法などの軽い運動でも効果は期待できます。自分のライフスタイルに合わせて出来る範囲で実践しましょう。
運動の効果
もちろん運動をすることはメンタルヘルスの改善効果だけではありません。
健康的な体型の維持、肥満・高血圧・糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防、認知機能の低下防止や回復、ストレス解消など様々な効果を得ることができます。
日頃から負担にならない程度の適度な運動を心掛け、心身ともに健康的な生活を送りましょう。