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夜にスマホの光を浴びると不眠に繋がる?日照時間の違いが体内時計に与える影響とは 当社専属保健師が解説します!

夜にスマホの光を浴びると不眠に繋がる?日照時間の違いが体内時計に与える影響とは 当社専属保健師が解説します!

 

■CHECK POINT!

①体内時計はどのようなもの?
②就寝前にスマホを操作すると起きる影響とは
③不眠、睡眠不足にならないためには

みなさん、毎日しっかりと睡眠をとれていますか?夜寝るのが遅く、ついつい昼間に眠くなって…なんて方も案外多いのではないでしょうか。体内時計が乱れる原因、不眠や睡眠不足により病気が悪化するって本当?などの「日照時間の変化による睡眠や体内時計の変化」について当社専属保健師がご紹介いたします。

 


 

■体内時計ってどんなもの?

生物は、地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能をもっています。人間においても体温やホルモン分泌等体の基本的な機能は24時間のリズムを示すことが分かっています。この24時間周期のリズムは概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれます。
概日リズムは、光や温度変化のない条件で安静を保った状態においても認められることから、生体は体内に時計機能を持っていることが明らかとなり、これを体内時計(生物時計)と呼んでいます。哺乳類の体内時計は、脳の中心部下面にある視床下部の視交叉上核に存在することが分かっています。

 

■就寝前にスマホを触るとどんな影響がある?

人の体内時計の周期は24時間よりも若干長いため(体内時計の周期が短い人も少数ではありますが、います。)人間を含む哺乳類では、網膜から体内時計への直接の神経線維伝達があり、これにより目から入った明暗環境の情報が体内時計に伝達されます。人間では、朝の強い光は体内時計を早める方向に、夜の光はこれを遅らせる方向に働きます。夜にスマホやPCの光を浴びることで、夜型となり、不眠になったり日中の眠気が出たり、もともとの病気の悪化に繋がったりすることもあります。


出典:厚生労働省 e-ヘルスネット 体内
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-039.html
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット 睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-003.html

■睡眠不足や、不眠への対処方法

①就寝・起床時間を一定にする
睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜更かしや休日の寝坊、昼寝し過ぎは体内時計を乱すのでご注意を。平日、週末に関わらず同じ時間に起床・就寝する習慣を身につけることが大事です。

②睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には個人差があります。平均6時間以上が良いといわれていますが、個人差があります。

③朝、太陽の光を浴びる
太陽などの光を浴びて14時間~16時間後にメラトニンの分泌が増え始め、眠気につながります。早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。早起きすると早寝につながります。逆に、夜に強い照明を浴びすぎると体内時計が遅れて早起きが辛くなります。日の出が遅くなる、冬場は早朝白色系の光を浴びて、太陽の光の代用も良いかもしれません。

④ストレス解消
音楽・読書・スポーツ・旅行など、自分にあった趣味を見つけて上手に気分転換をはかりましょう。

⑤適度な運動をする
運動は午前よりも午後に汗ばむ程度の運動をするのが良いようです。激しい運動は刺激になって寝つきを悪くするため逆効果です。短時間の集中的な運動よりも、有酸素運動を継続することの方が効果的です。
 
⑥深酒はしない
寝酒をすると寝つきが良くなるように思えますが、効果は短時間しか続きません。飲酒後は深い眠りが減り、早朝覚醒が増えていきます。お酒は楽しむ程度にておきましょう。適量は、ビールなら500mlまで、日本酒なら180ml(1合)までと言われています。

⑦寝る前にリラックスタイムを作る
睡眠前に副交感神経を活発にすることが良眠のコツです。ぬるめのお湯にゆっくり入り、好きな音楽や読書等でリラックスする時間を取って、心身の緊張をほぐします。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることが分かっています。

⑧快適な寝室つくり
眠りやすい環境づくりも重要なポイントです。ベッド・布団・枕・照明等自分に合った物を選びましょう。温度や湿度にも注意が必要です。睡眠のための適温は、20℃前後で、湿度は40~70%くらいに保つのが良いといわれています。寝具や照明に関しては「快眠のためのテクニック」「快眠の生活習慣」で解説しています。

⑨朝食はしっかりと食べる
脳に十分に栄養を与えるとともに、日中活動できるエネルギー源となる。また、セロトニンの原料となるトリプトファンやビタミンB6の含まれる食品も摂取できると、夜のメラトニンも十分に生成されます。

秋になると日照時間の短縮などから『秋病み』といわれるメンタル不調の人が増えてくるといわれています。良質の睡眠を得られるように工夫したり、バランスの取れた食事をするようにこころがけたり、適度な運動をするなど、病気になる前の予防に努めましょう。

 


 

■ 執筆 ■
小岩 統子

こいわ とうこ
株式会社ヴェリタスジャパン
産業医ラボ.com専属保健師

臨床にてICU・内科・訪問看護を5年ほど経験したのち、
健康保険組合・企業などにて13年間産業保健師として活躍。
現在は、当運営会社 株式会社ヴェリタスジャパンに入社し、
産業医ラボ.comの専属保健師として活躍している。

 

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