
熱中症とは
熱中症とは、高温・多湿の環境下で、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことです。
熱中症が起こりやすい場所
熱中症になる危険があるのは、日差しの強い屋外だけだと思っていませんか?
実は、梅雨の合間に突然気温が上がったときや、室内で熱中症を発症して救急搬送される人は決して少なくありません。
○発生場所ごとの項目別の救急搬送人員数
仕事場①(道路工事現場、工場、作業所等)
仕事場②(田畑、森林、海、川等 ※農・畜・水産作業を行っている場合のみ)参考:総務省「平成 30年度 消防庁における熱中症対策」
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/ic_rma/3003/mat2.pdf
なぜ、日差しの当たらない室内で熱中症になるの?
熱中症になるリスクは日差しだけではありません。
気温と湿度によって室内で熱中症になるリスクは十分にあります。
さらに汗が出にくい状態や汗が出るのに水分補給ができない場合が重なると、熱中症が起きやすくなります。室内にいても以下のような症状がいくつか起こる場合は熱中症の発症が考えられます。
・のどや口が渇く・頭痛・めまい・立ちくらみ・吐き気・倦怠感・食欲不振・集中力の低下
このような熱中症のサインがでたら速やかに涼しい場所に移動し衣服を緩め、身体を冷やしましょう。
このとき首や脇の下、足の付け根などに濡らしたタオルや保冷剤などを当てるとより効果的です。
そして大量に汗が出ている場合は塩分の入った飲み物や市販のスポーツドリンクなどを飲みましょう。
ただし意識がはっきりしていない人の場合、無理に水分を飲ませようとすると誤嚥する可能性があり危険なので、
救急車を呼んでください。
室内での熱中症予防対策は?
扇風機やエアコンを利用し、温度は28度以下、湿度は50~60%を目標とします。
室内だとのどの渇きを感じにくいですが、のどが渇いたと感じていなくてもこまめな水分補給を心掛けましょう。睡眠不足や寝汗も熱中症のリスクになります。寝ている間に人はコップ1杯の汗をかくと言われています。
まずは、睡眠環境を整え十分な睡眠をとり、バランスのよい食事をとって熱中症にかかりにくい体づくりをすることが大切です。
日々の生活の中でも衣服を工夫したり、冷却グッズを利用するなどして熱中症を予防しましょう。室内の気温や湿度の状況をこまめに確認することも熱中症予防に効果があります。
「いま自分のいる環境がどのような状態なのか」を知ることは、熱中症予防の大切なポイントです。
また、熱中症の発生には、体調が大きく影響します。自分のいる環境を知ることとあわせて自分の体を知り、丈夫な体づくりを心掛け、体調に敏感になりましょう。