
新型コロナウイルス感染症が昨今また猛威を奮い始めました。
長期に渡るテレワーク生活になんとなく以前とは違う体の不調を感じている方も多いのではないでしょうか?
テレワークは普段とは異なる業務環境で行う為、気付かぬうちに実は心身共に大きなストレスがかかっています。
なぜか今まで通りのペースで仕事が進まないという方も中にはいるでしょう。ストレスによる心身の不調や生産性の悪化を防ぐために、テレワーク環境の見直しが必要になってくる時期かと思います。
そこで、今回のコラムでは、そのような見直しの基本となる環境作りについて少しご紹介致します!!
自宅環境の整備
カフェやシェアオフィスなどテレワーク向きのスポットは多数あげられますが、特に自宅の場合、プライベートや休日の感覚から切り替えられず、中々進まない仕事に悩まされている方々が多く見受けられます。
以下、自宅を快適なオフィス環境に変えるための6つの条件を簡潔にまとめました。
1.部屋
■ 設備の占める容積を除き、10m3以上の空間
まず、事務所衛生基準規則第2条の内容を見てみましょう。
事業者は、労働者を常時就業させる室の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、10m3以上としなければならない
のように、閉塞感によるストレスを避けるためにも、適度の大きさを持った部屋で作業することをお勧めします。また、室内の照明は、机上基準、300LUX以上になるように設定して下さい。
2.窓
■ 窓などの換気設備を設ける
■ ディスプレイに太陽光が入射する場合は、窓にブラインドやカーテンを設ける
空気の入替えは非常に大切です。でも仕事に集中し過ぎて、それを忘れることもしばしば。「1時間に1回」といった窓の開閉回数をご自身で決めるなど、意識的に換気を行えるよう心掛けましょう。
3.椅子
■ 安定していて、簡単に移動できる
■ 座面の高さを調整できる
■ 傾きを調整できる背もたれがある
■ 肘掛けがある
■ 深く腰かけ、背もたれに背を十分にあて、足裏全体が床に接した姿勢が基本
長時間座っていても体に負担を感じさせない椅子を見つけましょう。また、長時間座り続けるのを避け、定期的に全身のストレッチを行うのをお勧めします。
“正しい姿勢をキープできるよう心がけましょう”
4.室温・湿度
■ 気流は0.5m/s以下(直接、継続してあたらない)
■ 室温17℃~28℃
■ 相対湿度40%~70%
換気と同様、室内の温度や湿度もとても重要です。環境省によれば、室温目安は夏は28℃、冬は20℃、湿度目安は季節関係なく40~70%が推奨されています。国が定めている適切温度というのは「空調機器の設定温度」ではないのでご注意が必要です。こまめに確認し、常に適切温・湿度が維持できるよう心掛けましょう。
5.PC
■ ディスプレイは照度500LUX以下で、輝度やコントラストが調整できる
■ ディスプレイとおおむね40cm以上の視距離を確保する
■ キーボードとディスプレイは分離して位置を調整できる
■ 操作しやすいマウスを使う
PC環境を整えることで、目の疲れや手首・肩などの凝りを防ぐことができます。他にもモニターを適切な高さに調節する、パソコンの本体に溜まったほこりを定期的に掃除するなど、快適なPC環境作りを心掛けましょう。
6.机
■ 必要なものが配置できる広さがある
■ 作業中に脚が窮屈でない空間がある
■ 体型に合った高さである、又は高さの調整ができる
快適に仕事をするために、適度な広さや高さを持った机を見つけましょう。時折足を延ばす、簡単なストレッチをするなど、体が固まらないようにするのも大事です。
“仕事の合間にはきちんと休憩を取りましょう。こまめにストレッチをするのも非常に大切です”
まとめ
テレワーク制度は今までの働き方とは異なり、新しい生活様式であるため、適度なケアや設備の整備なしでは、働く人の身体やメンタルに大きな負担を与えてしまいます。
こちらで紹介したものをご参考に、ぜひ一度テレワーク環境の見直しを図ってみて下さい。さらには、定期的な産業医面談やストレスチェックを受けることで、ご自身の心身の状態を把握し整えることも推奨いたします。
テレワークに関してまた何か気になることやお悩み事などございましたら、お気軽にお問合せくださいませ。
参考資料:厚生労働省「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備イメージ」
参考資料:安全衛生情報センター「事務所衛生基準規則」