
自殺の現状
日本の働いている人たちの年代で多い死因をご存知でしょうか?
それは自殺です。
2017年の自殺者数は2.1万人と前年に比べて約2.6%減少しましたが、実は日本の自殺者数は1998年から2011年まで14年連続で3万人以上いました。その大多数の割合は20~59歳の働いている人たちが占めています。
特に死因の順位に占める自殺の割合が、若い人ほど多いのです。
20~39歳だと死因の1位は自殺、40~49歳でも死因の2位は自殺です。さらに20~29歳は、死因に占める自殺の割合が45%以上となります。
これは日本が医療の発展している先進国だから起きている問題ではありません。
アメリカ、フランス、ドイツ、カナダ、イギリス、イタリアのいずれの先進諸国でも死因の1位は事故です。
自殺は2位か3位です。
それほど、日本では自殺が死因として顕著に多いのです。
過労自殺について
そして近年、問題になっているのが過労自殺です。
厚生労働省は「過労死等防止対策推進法」において過労自殺とは、「業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺」と定めています。
過労自殺の原因は、長時間労働や休日・深夜労働による肉体的負荷と過重なノルマや責任、仕事の質・量の変化といった精神的負荷が重なり精神的に追い詰められて自殺を図るケースが多いです。
過酷な長時間労働が自殺の要因になっているのは言うまでもありません。
さらに「働き方改革に関する企業の実態調査」によると長時間労働の原因として「管理職の意識・マネジメント不足」、「人手不足」、「長時間残業を是とする人事制度・職場の風土」といった意識が多くありました。
“残業はあたり前”という考え方が上司や企業が持ったままでは長時間労働が解消するのは難しいかもしれません。
企業の意識改革を行い、職場環境を整えることで職場でのストレスを減らし、従業員一人ひとりが働きやすい環境をつくることが、過労自殺を予防する方法と言えるのではないでしょうか。