
【お名前:中森さん / 性別:女性 / 年代:40代】
中学生の息子がどこにいても、何をするときでもスマホを手放しません。
親として叱ってはいるのですが一瞬だけやめて、またスマホを手にしています。どうやらゲームなどをしているようなのですがどうしたらいいのでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
近年、パソコンやスマートフォンが急速に普及し、SNSや動画閲覧、オンラインゲームなどにのめり込みすぎることで生活に支障が出てしまうほどの依存が急増し、社会問題化しています。
2013年にはアメリカ精神医学会が『精神疾患の診断と統計の手引き第 5 版』(DSM-5)において「インターネットゲーム障害」という診断基準を「今後の研究のための病態」という項目として新たに設けました。
■インターネット・スマホ依存がもたらす影響
・心への影響
感情のコントロールがきかなくなる、思考能力がなくなる、攻撃的になる、相手の感情をうまく読み取ることができなくなる、自分の感情をうまく表現できなくなる、うつ病などの心身症を引き起こす原因となる。
・身体への影響
視力や体力、学習能力の低下、睡眠不足や栄養不足、頭痛や肩こり、倦怠感。
・社会性への影響
学校や会社へ行くことができない、現実世界の人間とコミュニケーションがとれなくなる、課金などによる金銭のトラブルを招く、引きこもりなどになる可能性となる。
これらの問題のひとつが本人に該当したからといって、即インターネット・スマホ依存とはなりませんが、依存した結果として、これらの問題が現れるという可能性はあります。
■インターネット・スマホ依存への対策
・インターネットやスマホの使用時間を話し合う
一方的に親が決めた時間にするのではなく、きちんと子供と話し合い、何時から何時までというルールを決めましょう。口約束だけでなくルールを書いた紙などを家の中の目につくところに貼っておくのもいいかもしれません。しかし自室に持って行かれるとルールを守れない場合もあるので親がパソコンやスマホを保管するなどの管理が必要になってきます。
・インターネットやスマホ以外で熱中できる何かを提案する
インターネットやスマホ以外で興味のあるものができれば自ずとパソコンやスマホからは手を離れます。スポーツや習い事など子供の興味がありそうなことを親から提案してみましょう。
・第三者や専門機関に相談する
学校の先生やスクールカウンセラー、医療機関などの専門機関に相談しましょう。最近では依存症に特化した精神科などの専門機関もあります。子供が医療機関に受診しなくても親が相談し、子供との関わり方から変えていくことで依存症が回復することがあります。実際に私が以前勤めていたクリニックではそういう事例がいくつもありました。子供がスマホやインターネットに依存してしまう原因は本人だけでなく親子の関係性やコミュニケーションにも何かしらの問題があるからです。
医療機関が見つからない、探し方がわからない場合は、都道府県に設置されている精神保健福祉センターに相談してみてください。
子供にスマホを使うなと頭ごなしに怒ることは解決にはつながりません。きちんと親が子供に向き合い、話し合うことが大切です。さらにインターネットやスマホの依存は時間が経つほど重症化して回復が遅くなります。
中森さんが出来ることから息子さんへの対応を考えてみてください。
*――――――*――――――*
ご質問はこちらよりご連絡ください。