
【お名前:唯さん / 性別:女性 / 年代:10代】
最近テレビでよく聞くパニック障害とはどういう病気ですか?私ももしかしたら同じ病気じゃないかと思い質問させていただきました。
ご質問ありがとうございます。
最近、人気急上昇中のアイドルの方がこの病気であることがわかり休養するニュースが頻繁に取り上げられてパニック障害を知った方も少なくないと思います。
パニック障害とは、ある日突然何のきっかけもなく、激しい動悸やめまい、発汗や頻脈、吐き気や窒息感、手足の震えといった発作を起こし、このままでは死んでしまうというような強い不安感に襲われる病気のことです。この発作は「パニック発作」と呼ばれ10分から長くても1時間以内にはおさまりますが、これが週に何回も繰り返される病気です。
■パニック障害の症状
パニック障害には「パニック発作」、「予期不安」、「広場恐怖」の3つの症状があります。
- パニック発作
- 予期不安
- 広場恐怖
パニック発作はパニック障害の中心となる症状で「予期しない発作」のことです。これは状況などに関係なく起きる発作のことをいいます。多くの場合、心臓発作ではないか、死んでしまうのではないかなどと考え、救急車で病院へかけつけますが、病院に着いたころにはほとんどおさまっていて検査などでもとくに異常はみられません。しかし数日を置かずにまた発作を繰り返します。
予期不安とは、パニック発作を繰り返しているうちに「また発作が起きるのではないか」、「今度こそ死んでしまうのではないか」という漠然とした不安が常につきまとうようになることです。パニック発作が改善しても、予期不安が残ることもあります。
広場恐怖とは、繰り返しパニック発作を起こし、予期不安がエスカレートして自分が発作を起こした場所や発作が起きたときすぐに助けを得られないような場所を恐れることです。例えば、電車やバスの中で発作を起こしたために乗り物を避けるようになったり、お店の中で発作を起こし買い物に行けなくなるなどの社会性生活に支障が生じてきてしまいます。
パニック発作を経験すると、多くの人が強い不安感や死への恐怖感をもつようになります。つらい症状ではありますが、パニック障害の発作で死ぬことはありません。そしてもちろん適切な処置を受ければ治る病気です。
パニック障害の治療方法は「薬物療法」と「心理療法」のふたつがあります。
- 薬物療法
- 心理療法
一般に、最初に使われる薬はSSRIをはじめとする抗うつ薬と抗不安薬の一種であるベンゾジアゼピン系薬剤です。薬物による治療の目的は「パニック発作を起きなくさせる」ことが第一目標で、次いで「予期不安や広場恐怖もできるだけ軽減させる」ことが目標になります。
パニック障害の心理療法には、「認知行動療法」と「自律訓練法」があります。「認知行動療法」はパニック発作が起きた場所などに徐々に近づいていき、段階的に少しずつ不安を克服していって誤った(認知)行動を正しいものへ修正していくものです。
「自律訓練法」は心と体をリラックスさせる方法を身につける訓練です。パニック障害では、予期不安などのように発作を起こしていない場合でも正常者に比べ、常に高い緊張状態にいます。そのため普段から緊張度を下げるために、自律訓練法は重要とされています。
パニック障害は決して珍しい病気ではありません。100人に1~2人の割合で発症すると言われており、きちんと治療をすれば治る病気です。
もし唯さんが自分もパニック障害かもしれないと心配であれば、心療内科や精神科などの医療機関での受診をお勧めします。
唯さんのできることから始めてみてください。
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