COLUMN

友人がうつ病の治療を行っています。周りはどのようなサポートをしていくと良いでしょうか。

【大澤先生の一問一答】

大澤先生へ質問

【お名前:希美さん / 性別:女性 / 年代:20代】
友人がうつ病の治療を行っています。
周りはどのようなサポートをしていくと良いでしょうか。

大澤先生からのご回答

ご質問ありがとうございます。

うつ病は、誰もが一生のうちに一度は起こる病気と言われるほど身近な病気です。
まずはうつ病がどんな病気か理解すること、そして普段と変わらない態度で接してあげることが大切です。
(うつ病については「うつ病って何?」のコラムを読んでみてください。)

ただし、取ってはいけない行動もいくつかあります。

◆故意に励まさないで!

一生懸命がんばりすぎて心の病気になった相手に「がんばって」は禁物です。励ますことでさらに相手を追い込んだり、症状を悪化させることにもなり兼ねます。
「つらいときはつらいって言っていいんだよ」
「そばにいるから、ゆっくり過ごそうね」
「焦らなくていいからね」
など温かい言葉や態度でサポートをしてあげてください。

◆原因究明をしない!

「なぜ、うつ病になったのだろうか」「周りに問題があったのか」など原因が何かを究明することは本人とって負担に感じ、周りにとっても自分のせいではないか、と責任を感じてしまうことがあるので良い結果は生みません。うつ病自体、原因が何かはっきりせずに起こる場合が多い病気です。原因よりも「今できること」を考えましょう。

◆気分転換や特別なことは避けて!

健康な人であれば気分が優れないときやストレスを発散したいときなど、どこかに出掛けたり、飲みに行ったり、カラオケに行ったりと気分転換や特別なイベントを企画したりするものですが、うつ病の人にとっては、普段楽しめることを楽しめなくなり、むしろ苦痛を感じて負担になることがあります。焦らずゆっくりと、本人が行きたいと言うまでは気分転換や特別なことは控えましょう。

◆大きな決断は先延ばしにして!

うつ病になると、判断能力や決断力が著しく低下し、不安な気持ちが強く、否定的に物事をとらえてしまうため「退職する」「離婚する」など人生における大きな決断を口にしがちです。「まずは病気の治療に専念して、それから考えても遅くはないよ」と決断を先延ばしにし、回復してから考えるよう、本人にとって何を優先すべきか説明してあげましょう。

よき理解者になってあげてください。
私たちカウンセラーにとっての基本姿勢は「受容・傾聴・共感」です。

うつ病の方は自分のことを否定的にとらえ、ネガティブな言葉を使うことが多いですが、その言葉を否定するのではなく、受容し共感してあげてください。

例えば「自分なんてこの世に必要ないんだ」という言葉に対しては
「そっか。そんな風に感じているんだね」
「でも、私にとっては必要な存在だよ」
と、一度受け入れ共感してから、部分否定をしてみてください。

自分のことさえ受け入れられない状態です。それを踏まえた上で「私はあなたを受け入れますよ」と言葉や態度で示すことで、自分のことを少しでもわかってくれる人がいるという安心感を持たせてあげることが大切です。

もちろんどんな接し方が良いかは、その方の症状や重さの程度によって異なります。

一番大事なことは、うつ病を理解し、寄り添う気持ちを持つことだと私は思います。

友人のために何かをしてあげたい、早く回復できる方法はないか、と思う気持ちもわかりますがサポートする側も負担になったり、疲れてしまったりすることも少なくありません。

まずは、話を聴いてあげるなど、希美さんができることから始めてみてください。

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