COLUMN

人前に出るのが苦手です。特にプレゼン前などはとにかく怖いです。なにかいい方法はありますか?

【大澤先生の一問一答】

大澤先生へ質問

【お名前:莉子さん / 性別:女性 / 年代:20代】
人前に出るのが苦手です。特にプレゼン前などはとにかく怖いです。なにかいい方法はありますか?

大澤先生からのご回答

ご質問ありがとうございます。

誰でも人前に出て話をするのはとても緊張しますよね。何度か繰り返せば慣れるとは言うものの、人前に出ることを何度も繰り返すことすら私だって嫌です。

けれど社会生活を送っていると、どうしてもプレゼンや発表、スピーチなど人前で話をする場面が出てきてしまうものです。

■ あがり症のメカニズム

あがり症の代表的な症状として

  • 動悸が激しくなる
  • 顔が赤くなる
  • 声や手足が震える
  • どもってしまう
  • 汗が出てしまう
  • 表情がこわばる、自然に笑えない

などです。
このような症状は、神経伝達物質のノルアドレナリンが血液中に多量に分泌され、自律神経のうちの交感神経を刺激します。そうなると心拍数や血圧、体温などが急上昇しますが、これは不安や恐怖を感じた時に起こる人間の正常な反応です。

ではなぜこれらの症状が出てしまうのかというと、「人前に出ると緊張してしまう」という背景にあるふたつの恐怖に関係します。

  • 他人に迷惑をかけてしまうかもしれないという恐怖
  • 他人にマイナスの評価をされてしまうかもしれないという恐怖

人は誰しも「失敗をしたくない」「恥をかきたくない」そして他人から「認められたい」「評価されたい」と思う生き物です。そのためそれを損なわないようにと思えば思うほど防衛本能が働き、身体症状として現れるのです。

■ あがり症の改善方法

人間の防衛本能とはいえ、あがり症を改善する方法はいくつかあります。

  • 深呼吸をする
  • 身体を温める
  • 話す内容の事前準備をし、実際に声に出した練習を何度も行う
  • 話す内容を暗記しようとしない
  • 頷いたり、微笑んだりする人を聴衆の中から見つけ、その人にむかって話す
  • ゆっくり話すことを心掛ける

これらは私も実際に行っている方法です。特に声に出した練習は、仲の良い同期や友人、家族などに聞いてもらいながら実践に近い練習をすることでかなり緊張を和らげてくれます。

■ もしかしたら社会不安障害の可能性も!?

あがり症をただの性格的なものとして片付けてしまうケースが多いですが、実は「社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)」という精神疾患の可能性もあるのです。
社会不安障害とは、ある特定の状況や人前で何かをする時に、緊張感が高まって不安や恐怖を感じ、次第にそのような場面を避けるようになる病気のことです。

社会不安障害には、赤面恐怖症や発汗恐怖症、対人恐怖症など他にも様々な症例があり、さらには不安や恐怖、緊張を感じる状況が1つに限定される「限局型」と、ほとんどの状況で感じる「全般型」の大きく2つの型に分けられます。

社会不安障害の治療は、「薬物療法」と「認知行動療法」を中心に行われます。

もし莉子さんが人前に出ることへの不安や恐怖を過剰に感じ、日常生活に支障をきたすようであれば精神科などの医療機関に受診することもお勧めします。

莉子さんの出来ることから始めてみてください。

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