
【お名前:加藤さん / 性別:男性 / 年代:40代】
ストレスチェック制度を実施しないと安全配慮義務違反になるって聞いたんですけど、安全配慮義務ってなんですか?
ご質問ありがとうございます。
ストレスチェックの実施義務がある企業がストレスチェックを実施していない場合には、「労働安全衛生法」違反での罰則だけでなく、労働契約法の「安全配慮義務」違反にもなります。
企業の「安全配慮義務」とは、従業員が安全・健康に働くことができるように配慮する義務で、使用者に課せられていると同時に、労働者には自身の安全・健康を確保するために企業側が行う措置に対して協力しなければならない「自己保健義務」が課せられています。
労働契約法第5条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるような、必要な配慮をするものとする。」と安全配慮義務について明記しています。なお、厚生労働省は上記の条文にある「生命、身体等の安全」には、心(精神的)の安全や健康も含まれると通達しています。
この義務は、会社が従業員に対して危険な環境での労働、劣悪な環境での労働、慢性的な長時間労働(過重労働)などの労働条件を課さないようにするためにあります。
このため、健康診断やメンタルヘルス対策の実施、ハラスメント問題への対処、労働時間の管理なども安全配慮義務を果たすための施策になります。
使用者が安全配慮義務を怠ることによって労働者が損害を被ったときは、以下のような損失・負担が発生します。
- 民事上の損害賠償責任
- 業務上過失傷害などの刑事責任
- 貴重な人材の損失(労働日数の損失)
- 事故等による営業・操業停止に伴う経済的損失
- 社会的信頼の失墜
- 訴訟等の準備に伴う経済的・時間的損失
さらに、過労死等が発生した場合は、億単位の賠償金の支払いを命ぜられる場合もあり、多大な損害を被ることがあります。
このことからもストレスチェックだけでなく従業員が安全で健康に働くことができるように以前コラムでもご紹介した健康経営を積極的に取り組むことをお勧めします!
加藤さんの企業でもできることから始めてみてください。
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