COLUMN

最近、息子が自分の部屋から出てこなくなってしまったのですが、これってひきこもりなんでしょうか?もしそうだとしたらどこに相談したらいいのでしょうか?

【大澤先生の一問一答】

大澤先生へ質問

【お名前:真紀さん / 性別:女性 / 年代:50代】
最近、息子が自分の部屋から出てこなくなってしまったのですが、これってひきこもりなんでしょうか?もしそうだとしたらどこに相談したらいいのでしょうか?

大澤先生からのご回答

ご質問ありがとうございます。

親御さんとしては心配になりますよね。
まずはひきこもりについてご説明しますね。

【ひきこもりの定義】

様々な要因の結果として、社会参加(義務教育を含む就学、非常勤職員を含む就労、家庭外での交遊)を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を示す現象概念。
※ひきこもりは、原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精神病性の現象とするが、実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くない。

厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」より

【推計数(内閣府調査)】

○平成27年12月調査○
15歳~39歳までの広義のひきこもり状態にある者54.1万人、狭義のひきこもり状態にある者17.6万人

○平成30年12月調査○
40歳~64歳までの広義のひきこもり状態にある者61.3万人、狭義のひきこもり状態にある者36.5万人

〈上記調査結果における定義〉
「ふだんどのくらい外出するか」という質問に対して
①趣味の用事のときだけ外出する
②近所のコンビニなどには出かける
③自室からは出るが、家からは出ない
④自室からほとんど出ない
上記の②~④を選択した者を「狭義のひきこもり」、①を選択した者を「準ひきこもり」とし、それをあわせて「広義のひきこもり」としています。

【ひきこもり相談窓口】

厚生労働省では、平成21年度から、ひきこもりに特化した第一次相談窓口としての機能を有する「ひきこもり地域支援センター」を全国の都道府県・指定都市に設置しています。このセンターは、本人や家族の方が、地域の中で最初にどこに相談したらよいかを明確にすることにより、より支援に結びつきやすくすることを目的にしたものです。

ひきこもり地域支援センターの概要
○「ひきこもり支援コーディネーター(社会福祉士、精神保健福祉等)」を置き、下記の事業を行っています。
第1次相談窓口:ひきこもり本人、家族等からの電話・来所・訪問等による相談に応じるとともに、対象者の状態に応じて、医療・教育・労働・福祉などの適切な関係機関へとつなげる。
他の関係機関との連携:対象者の状態に応じた適切な支援を行うため、関係機関からなる連絡協議会を設置し、情報交換等各機関間で恒常的な連携を図る。
情報発信:リーフレットの作成等により、ひきこもり問題に対する普及啓発を図るとともに、地域におけるひきこもりに係る関係機関・事業紹介などの情報発信を行う。

厚生労働省政策レポート「ひきこもり施策について」より

○「ひきこもり地域支援センター」相談先
ひきこもり地域支援センターでは電話相談メール相談面接相談訪問相談などあらゆる方法で相談することができます。詳しくは各センターのホームページをご覧になってみてください。
東京都:ひきこもりサポートネット
神奈川:かながわ子ども・若者総合相談センター
埼玉:埼玉県ひきこもり相談サポートセンター
その他の「ひきこもり地域支援センター」の設置状況リストはこちら

ひきこもってしまうのは、何かしらの原因が必ずあるはずです。それは家族だけでなく本人も苦しんでいる可能性があります。もちろん叱咤激励だけでは解決はできません。家族や友人からの支援がとても重要になってきます。

真紀さんのできることから始めてみてください。



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