COLUMN

ストレスチェックの結果は誰がいつまで保管しなければいけないのですか?

【大澤先生の一問一答】

大澤先生へ質問

【お名前:岩田さん / 性別:男性 / 年代:40代】
ストレスチェックの結果は誰がいつまで保管しなければいけないのですか?

大澤先生からのご回答

ご質問ありがとうございます。

ストレスチェックの結果は、基本的に受検した労働者と実施者、実施事務従事者のみだけが把握できるようになっています。ただし、労働者の同意があれば、実施者から事業者に受検結果を教えることができます。
労働安全衛生規則によって、ストレスチェックの結果は一定期間保存することが定められていますので、保存が必要な記録と保存者、保存期間について見ていきましょう。

■ストレスチェック結果の保存について

保存が必要な個人のストレスチェックの結果の記録の内容は以下の3点です。

  1. 個人のストレスチェックの結果
  2. ※個人ごとの検査結果を数値、図表等で示したもので、調査票の各項目の点数の一覧又は、個人のストレスプロフィールそのものでも差支えはありません。

  3. 高ストレスに該当するかどうかを示した評価結果
  4. 面接指導の対象者か否かの判定結果
  5. 労働者が記入・入力した調査票(質問票・ストレスチェックシート)は必ずしも保存しておく必要はありません。

【労働者の同意が認められ、事業者に受検結果が提供された場合】
ストレスチェックの結果を事業者へ提供することが、労働者から同意を得た場合、保存者は事業者になります。保存すべき3点の結果記録の他に、労働者が事業者に結果を提供するといった記述のある同意書も一緒に保存する必要があります。
保存者:事業者
保存期間:5年間(義務)

【労働者の同意が認めらなかった場合】
ストレスチェックの結果を事業者へ提供することが、労働者から同意を得られなかった場合、保存者は実施者または事業者が指名した実施事務従事者になります。これは実施者等が個人で保管場所を確保して管理することではなく、事業場の衛生委員会等で保存方法、保管場所などを調査審議したうえで事業者が決定し、それに基づいて保存する必要があります。
保存者:実施者または実施事務従事者
保存期間:5年間(望ましい)

結果が紙の場合でも、システム上のデータの場合でも保存方法に変わりはありません。
さらに外部機関にストレスチェックの実施を委託している場合は、委託先で保管することも可能ですが、契約書の中に保存に関する事務についても取り決めておきましょう。

■集団分析結果の保存について

ストレスチェック制度には、必ず実施しなければならない義務事項と実施することが望ましいとされる推奨事項(努力義務)があります。ストレスチェック結果の集計・分析はこれにおける推奨事項とされています。

【10人以上で集団分析を実施した場合】
10人以上の集団でストレスチェックを実施した場合、労働者の同意がなくても実施者から事業者へ集計・分析結果が提供されます。
保存者:事業者
保存期間:5年間(推奨)

【10人未満で集団分析を実施した場合】
個人の内容が特定される恐れがあるため、10人未満での集団分析はあまり推奨されていません。しかし個人の情報が特定されない内容で実施される場合は、10人未満の集計・分析が認められ、労働者の同意なしに事業者に提供することが可能です。しかし2名などの極端に少ない状況での集団分析は認められていません。
保存者:事業者
保存期間:5年間(推奨)

基本的には、個人情報を取り扱うことからストレスチェック結果の保存は、事業者が行うことが一般的です。しかし労働者からの同意が得られず実施者が保存者となる場合でも、保存方法や保存場所を決めるのは事業者です。
ストレスチェックを行う前に、受検結果の記録や集団分析の集計・分析結果の保存方法や保存場所について衛生委員会などで調査審議し、ルールがしっかりと守られるように社内規定として定めておきましょう。



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