
症状も様々で、今も苦しんでいる方も…新型コロナウイルス感染後の後遺症とは?当社専属保健師が解説します!
新型コロナワクチンの接種完了率も74%を超え、日に日に感染者数も減ってきています。しかし、新型コロナウイルスに感染した方の中には今も後遺症に苦しんでいる方がいらっしゃいます。今回のコラムでは、新型コロナウイルスの後遺症はどのぐらいの割合なのか、どのような後遺症があるのかなど「新型コロナウイルスの後遺症」について当社専属の保健師がご紹介します。
■新型コロナウイルスの後遺症の割合とは
新型コロナウイルスの感染数も減っては来ていますが、感染した人の症状は様々のようです。また、感染した後も後遺症として様々な症状がみられる場合があります。この後遺症は、20代・30代でも発症する割合が高い等、どの年代でも認められます。
日本国内の追跡調査では、発症12カ月後少なくとも1つ以上の症状が残っている人が8.8%(日本の新型コロナ感染後の回復者457人の追跡調査)で、特に女性、急性期に重症度が高かった患者で遷延しやすいというデータが出ています。
海外の研究では、高齢、肥満、女性で遷延症状がみられやすいという報告がある一方、ワクチンを2回接種した後に新たに罹患した場合、28日以上遷延する症状の発現が47%減少したという報告もあります。
これらの症状は時間の経過とともにほとんどの患者が改善すると考えられていますが、さらに長期の経過観察でどのように推移するのかを見守っていかなければいけません。
出典:厚生労働省 新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第6.0版
https://www.mhlw.go.jp/content/000851082.pdf
■新型コロナウイルスの後遺症の割合とは
①記憶障害・集中力低下
経験した出来事や記憶が抜け落ちてしまっている
やっていることを長く続けることが出来なくなっている、など
②強い倦怠感
身体や精神的に「だるい」「疲れやすい」という軽い症状から、「体が鉛のように重く感じられる」といった強い症状まで様々な症状がある
重症化し『慢性疲労症候群』などに移行する事例も報告されている
③味覚・嗅覚障害
『味がわからない』『本来のにおいがわからない』『本来のにおいとは別のにおいを
感じる』など、コロナ療養後も引き続き味覚・嗅覚障害が続いている
④咳・痰(せき・たん)
激しい咳などが続く
⑤息苦しさ
息苦しさで、日常生活に支障がある
⑥発熱
長期間にわたって「微熱」が続く
⑦抜け毛
感染中、抜け毛があり治療後も改善しない
⑧抑うつ状態
表情が暗い
自分を責めてばかりいる
涙もろくなった
反応が遅い
落ち着かない
飲酒量が増える等、周りの人が気づくものもある
周りの人が「いつもと違う」こんな変化に気づいたら、もしかしたら本人はうつ状態で苦しんでいるのかもしれません。コロナ感染が爆発している時期は、なかなか会って話す機会も少ないので、電話などで声のトーンの違いがあったり、話す内容が後ろ向きになっていたりしないか、少し周りの方々が気を配ってあげましょう。
後遺症の治療には長時間がかかる場合もあり、後遺症が疑われる場合には、かかりつけ医療機関、保健所、相談窓口などに相談ください。
総務省 新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口のご案内
出典:厚生労働省 COVID-19後遺障害に関する実態調査(中等症以上対象)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000798853.pdf
■ 執筆 ■
小岩 統子
こいわ とうこ
株式会社ヴェリタスジャパン
産業医ラボ.com専属保健師
臨床にてICU・内科・訪問看護を5年ほど経験したのち、
健康保険組合・企業などにて13年間産業保健師として活躍。
現在は、当運営会社 株式会社ヴェリタスジャパンに入社し、
産業医ラボ.comの専属保健師として活躍している。
産業医ラボ.comでは、
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