
■ 医療用医薬品は処方箋が必要じゃないの!?
皆さんは、処方箋不要でお薬が駅ナカで購入できるというのをご存知ですか?
「セルフケア薬局」といって、日本初!nonowa西国分寺店が2/8に駅ナカに出店されたそうです。
お薬は大きく以下の3つに分けられます。
① 医療用医薬品 ② 要指導医薬品 ③ 一般医薬品
医療用医薬品は医師が患者様ごとに診断のもと処方された処方箋をもとに調剤薬局にて調剤された薬です。これらは高い効果が期待されますがその反面副作用などの恐れもあるため常に医師、薬剤師の指導が必要な医薬品です。要指導医薬品と一般医薬品はOTC医薬品と呼ばれますがいわゆる“市販薬”で薬店で自分で選んで買える薬です。要指導医薬品とは以前は医療用医薬品でしたが一般医薬品になって間もない薬で薬剤師の指導のもと買える薬です。
■処方箋なしで買える医薬品とは!?
医療用医薬品は、医療機関等で保険診療に用いられる医薬品としておよそ14,000品目が薬価基準に収載されています。実はこのうち約半数の7,500品目は医師の処方箋が無くても販売することが認められています。このような処方箋医薬品以外の医療用医薬品(以下、非処方箋医薬品)を販売することを零売といい、冒頭の薬局は零売薬局ということになります。
非処方箋医薬品には、使用経験が長く副作用のリスクの少ないものなど比較的安全性の高い医薬品が分類されています。
■ 零売の課題と将来性
本来、医療用医薬品は、医師の処方箋をもとに交付されるのが原則です。そのため零売薬局はまだ少なくあまり認知されているとは言えません。なぜここまで普及が遅れたのでしょうか?
厚労省が零売を条件付きで認めたのは2005年に遡ります。
これまで零売薬局が普及しなかったのにはいくつかの問題があります。
その一つは安全性です。
医師の診察を受けないために重大な疾病を見逃してしまう可能性が考えられます。重大な副作用が生じた場合の責任の所在や救済制度など、解決すべき問題もあります。また、薬局にとっては公的保険が使えないので安価な薬の取り扱いが多く、また調剤薬局のように調剤基本料や薬学管理料などの調剤報酬が見込めずその収益は薬価差益や相談料のみですから薬局としての利益が出にくいこともあります。
さらにもう一つの問題点は、近隣医師との兼ね合いがあります。医師の診察なしに医療用医薬品を交付すれば医療機関への受診が抑制されます。
これは医療機関の収益減になり、近医や付随する調剤薬局などとの関係も問題になる可能性もあります。
しかし近年のライフスタイルの変化や医療費の増大、利便性の向上など利用者にはメリットも多く徐々に注目されつつあります。2020年には日本零売薬局協会も設立され、ガイドラインの整備が進められています。
■ メリット、デメリットを正しく知って正しく利用しましょう!
いつも服用している薬が欲しいが仕事が忙しくて病院にかかる時間がない!薬が急いで欲しい!
特に、長引くコロナ禍の昨今、花粉症の薬など、いつもの薬は欲しいが医療機関には行きにくい、長時間待たされたくないなど利用価値は高いと考えられます。
零売薬局で医薬品を購入する場合保険は適用されません。そのため全額自己負担になります。しかし、医療機関へ行って診察を受ければ診察料や処方箋料等、また保険薬局では調剤料や指導料等が別途かかります。よって、医薬品の数や種類によっては医療機関を受診するよりも安価になることもあります。
これらは医療費の抑制、時間の削減につながります。
零売薬局を利用するときは、お薬手帳などを持参して、薬剤師のカウンセリング、服薬指導をしっかり受けましょう。また用法・容量を守り症状が改善しない場合や副作用が見られた場合には、ただちに使用を中止して薬剤師に相談するか、または医療機関にかかりましょう。
零売薬局にとってはこのコロナ禍はある意味追い風ともなり、今後コロナが収まった後も選択肢の一つとして世の中の常識になっていくのではないでしょうか。
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