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今年は秋以降に感染が急増 季節外れの流行、手足口病とヘルパンギーナについて当社専属の保健師が解説します!

今年は秋以降に感染が急増 季節外れの流行、手足口病とヘルパンギーナについて当社専属の保健師が解説します!

 

手足口病やヘルパンギーナは乳幼児がかかりやすい病気のイメージがあると思いますが、大人でもかかることもあります。今回のコラムでは、手足口病やヘルパンギーナの症状や今年の感染状況、感染対策などを当社専属の保健師がご紹介いたします!

 


 

■手足口病とは

手足口病は、手、足および口腔粘膜などに現れる水疱性の発疹を主症状とする急性ウイルス性感染症です。

 

今年度の感染状況は?

乳幼児を中心に例年、主に夏季に流行する感染症ですが、2021年度は10月末に感染が例年数を超えています。1歳が44.7%、2歳が25.2%であり、例年と同様に1歳と2歳が大半を占めています。性別は男性が54%とやや多く、例年と同様でした。

出典:国立感染症研究所
IDWR 2021年第43号<注目すべき感染症> 手足口病・ヘルパンギーナ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/hfmd-m/hfmd-idwrc/10767-idwrc-2143h.html

感染原因ウイルスは?

近年、わが国の手足口病の病原ウイルスは
コクサッキーウイルスA16(CA16)、A6(CA6)、A4(CA4)、B(CB)、
エンテロウイルス71(EV71)、A10(CA10)、
エコーウイルスなどです。

 

■症状は?

不顕性感染例も存在し、基本的には数日の内に、38度以下の発熱をしても治る経過良好の病気です。まれではありますが、小脳失調症、髄膜炎、脳炎などの中枢神経系の合併症を起こすことがあります。まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行い、

①高熱が出る
②発熱が2日以上続く
③嘔吐する
④頭を痛がる
⑤視線が合わない
⑥呼びかけに答えない
⑦呼吸が速くて息苦しそう
⑧水分が取れずにおしっこがでない
⑨ぐったりとしている

などの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

感染経路は?

感染経路は、主として下記のとおりです。

①糞口感染(便中に排泄されたウイルスによる経口感染のこと)を含む
②接触感染
③飛沫感染

治療は?

手足口病には有効なワクチンはなく、また手足口病の発病を予防できる薬もありません。治った後でも、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあります。また、感染しても発病はせずウイルスを排泄している場合があります。(不顕性感染)
これらのことから、発病した人だけを長期間隔離しても有効な感染対策とはならず現実的でもありません。衛生観念がまだ発達していない乳幼児の集団生活施設では、施設内での感染の広がりを防ぐことは難しいです。しかし、手足口病は発病しても軽い症状だけで治ってしまうことがほとんどであるという意味で、感染してはいけない特別な病気ではありません。これまでほとんどの人が子どもの間にかかって、免疫をつけてきた感染症です。

 

一般的な感染対策

接触感染を予防するために

①手洗いをしっかりとすること
②排泄物を適切に処理すること

特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員とこども達が、しっかりと手洗いをすることが大切です。特におむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしてはいけません。

出典:国立感染症研究所 手足口病とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.html
出典:厚生労働省 手足口病に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html

 

ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎であり、乳幼児を中心に夏季に流行する。いわゆる夏かぜの代表的疾患である。

 

今年度の感染状況は?

今年度は、下記の通り秋口にかけて徐々に増加傾向にあります。

国立感染症研究所 感染症発生動向調査(IDWR)を一部編集して使用
https://www.niid.go.jp/niid/images/idwr/pdf/latest.pdf

感染原因ウイルスは?

その大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスに起因し、主にコクサッキーウイルスA群である場合が多いが、コクサッキーウイルスB群やエコーウイルスで発症する場合もあります。

 

■症状は?

2~4日の潜伏期を経過し、突然の発熱(38℃~40℃)に続いて咽頭痛が出現し、咽頭粘膜の発赤が顕著となり、口腔内、主として軟口蓋から口蓋弓にかけての部位に直径1~2mm、場合により大きいものでは5mmほどの紅暈(こううん、皮膚が部分的に充血して赤く見えること)で囲まれた小水疱が出現する。小水疱はやがて破れ、浅い潰瘍を形成し、疼痛を伴う。発熱については2~4日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失する。発熱時に熱性けいれんを伴うことや、口腔内の痛みのため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈することがあるが、ほとんどは予後良好です。

エンテロウイルス感染は多彩な病状を示す疾患であり、ヘルパンギーナの場合もまれに
①無菌性髄膜炎になることがあり、その場合、発熱以外に頭痛、嘔吐などに注意する。項部硬直は見られないことも多い。
②急性心筋炎などを合併することがある。この場合、心不全徴候の出現に十分注意することが必要である。

鑑別診断として、
①単純ヘルペスウイルス1型による歯肉口内炎(口腔病変は歯齦・舌に顕著)、
②手足口病(ヘルパンギーナの場合よりも口腔内前方に水疱疹が見られ、手や足にも水疱疹がある)
③アフタ性口内炎(発熱を伴わず、口腔内所見は舌および頬部粘膜に多い)などがあげられる。

感染経路は?

①飛沫(ひまつ)感染、②接触感染、③経口感染で、手洗いなどを徹底して、タオルなどの共用はしないことが大切です。

ヘルパンギーナは学校において予防すべき伝染病の中には明確に規定されてはなく、一律に「学校長の判断によって出席停止の扱いをするもの」となっていません。したがって、欠席者が多くなり、授業などに支障をきたしそうな場合、流行の大きさ、あるいは合併症の発生などから保護者の間で不安が多い場合など、「学校長が学校医と相談をして第3種学校伝染病としての扱いをすることがあり得る病気」と解釈されています。

治療は?

特異的な治療法はなく、通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもあります。
時には脱水に対する治療が必要なこともあります。
無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要でありますが、後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれます。

出典:厚生労働省 ヘルパンギーナ
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-25.html
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou16/pdf/01h.pdf

出典:国立感染症研究所ホームページ 感染症発生動向調査(IDWR)
https://www.niid.go.jp/niid/images/idwr/pdf/latest.pdf

 


 

■ 執筆 ■
小岩 統子

こいわ とうこ
株式会社ヴェリタスジャパン
産業医ラボ.com専属保健師

臨床にてICU・内科・訪問看護を5年ほど経験したのち、
健康保険組合・企業などにて13年間産業保健師として活躍。
現在は、当運営会社 株式会社ヴェリタスジャパンに入社し、
産業医ラボ.comの専属保健師として活躍している。

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