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梅雨時期の寝苦しさを解消!睡眠の時間と質を向上して生活習慣病を予防しよう! ~「3分で分かる不眠症チェックシート」付き~

梅雨時期の寝苦しさを解消!睡眠の時間と質を向上して生活習慣病を予防しよう!

~「3分で分かる不眠症チェックシート」付き~

 

■CHECK POINT!

①日本は睡眠時間が短く、男性よりも女性の方が短い!睡眠不足は生活習慣を引き起こす?
②簡単!3分でできる不眠症チェックをしてみよう!
③睡眠の質を高める5つのポイント!

 

日々の生活において、規則正しい生活が出来ていない方は多いと思います。睡眠は人生の3分の1を占めるといわれ、人生80年として計算するとなんと26~27年も睡眠に費やしているのです!さらに梅雨が始まり湿度が上がることで寝苦しさを感じている方は多いと思います。今回のコラムでは、男女別睡眠時間の比較や睡眠障害の与える影響、質の高い睡眠についてなど「睡眠」に関わるあれこれをご紹介いたします!

 


 

睡眠時間の国際比較と、睡眠障害が与える影響

下記の表を見るとわかるように、日本は諸外国に比べて睡眠時間が短いことがわかります。とりわけ女性の睡眠時間が特に短く、家事や育児の負担が大きいことがうかがえます。平日・週末問わず慢性的な寝不足状態にあるといえます。慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能低下を引き起こすだけでなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼします。一例をあげれば、健康な人でも一日10時間たっぷり眠った日に比較して、寝不足(4時間睡眠)をたった2日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進するため、食欲が増大することがわかっています。また、慢性的な寝不足によって、糖尿病や心筋梗塞、狭心症など冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。

 

生活習慣病を予防するためにも、良質な睡眠を得られるのが理想ですね。理想的な睡眠とはどんなものなのでしょうか?

睡眠は、深いノンレム睡眠(段階3.4)から始まり、睡眠欲求が低下する朝方に向けて徐々に浅いレム睡眠(段階1.2)が繰り返し出現し、睡眠後半に向けて徐々に一回ごとのレム睡眠時間が増加してゆきます。深いノンレム睡眠は高等生物で出現し昼間に酷使した大脳皮質を睡眠前半で集中的に冷却し休養をとらせます。レム睡眠では、全身の筋肉が弛緩し、エネルギーを節約して身体を休めます。

 


3分で分かる!不眠症チェックリストで、不眠症度をチェックしよう!

あなたは理想的な睡眠がとれているでしょうか?世界保健機関(WHO)による「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠症判定法で不眠症かどうかチェックしてみましょう!

不眠症チェックリストはこちらからダウンロード

 

結果はどうだったでしょうか?6点以上で不眠症の可能性が高いと診断された方は、睡眠外来などでのご相談をおすすめします!

 


 

睡眠の質を高める5つの方法

寝起きが悪い、寝た気がしないなど普段から睡眠の質がよくないなと感じる方も多いと思います。簡単にできる睡眠の質を高める5つのポイントをご紹介します!

①規則正しい生活
朝昼晩規則正しい食生活と、バランスの取れた食事、就寝時間は多少ずれても起床時間は休日も1時間前後の誤差内にとどめる。朝は朝日を浴びて体内時計の修正をして、夜の白色系の光は体内時計を遅らせる作用があるため暖色系の光で脳への刺激を減らすことが理想的です。ブルーライトも脳への刺激になり、睡眠障害の原因になり得ます。

②食事で気を付ける
コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物は覚醒作用があります。敏感な人は、就寝の5~6時間前から控えた方が良いでしょう。就寝前の喫煙もニコチンが刺激剤として作用するので好ましくありません。朝食をきちんと摂ることで脳のエネルギー源として糖分を補給することが望ましく、朝のエネルギー不足で日中の活動が低下すれば、夜の睡眠に影響しかねません。

③運動習慣
効果的な運動習慣は、夕方から夜の運動だといわれています。(就寝3時間くらい前が効果的)ただし、就寝直前の運動は体を興奮させてしまうので禁物です。また、激しい運動は逆に睡眠を妨げますので、負担が少なく長続きするような有酸素運動(早足の散歩や軽いランニング)が良いでしょう。

④入浴と快眠
入浴により体温を上昇させて、その後体温が下がることにより、寝つきの効果を上げる。就寝2~3時間前に、好みの温度の湯船につかる。

⑤光浴と快眠
朝は朝日を浴びて体内時計の修正をして(体内時計は24時間より長く設定されているので、朝日を浴びることで、体内時計の修正をしてあげましょう。)、夜の白色系の光は体内時計を遅らせる作用があるため暖色系の光で脳への刺激を減らすことが理想的です。ブルーライトも脳への刺激になり、睡眠障害の原因になります。どうしても入眠前に使用しなければならない場合は、ナイトモードなどで、光の刺激を軽減させましょう。

 


まとめ

睡眠は、個人によってかなり感じ方の相違があると思います。まずは、WHOの不眠チェックリストでチェックし専門外来受診相当でしたら、睡眠外来をお持ちの専門医にご受診ください。 少し不眠になりかけているような状況でしたら、睡眠の質を高める方法の中で実施可能なものから始めてみましょう!また、当社では睡眠改善インストラクターも在籍しておりますので、睡眠改善相談も承ります。下記のQRコードよりご相談ください。皆様の眠りが、満足のいく質の高い眠りになることを、心より願っております。

出典:厚生労 睡眠と生活習慣病の深い関係
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

 

■ 執筆 ■
小岩 統子

こいわ とうこ
株式会社セントラルメディエンス
産業医ラボ.com専属保健師

臨床にてICU・内科・訪問看護を5年ほど経験したのち、
健康保険組合・企業などにて13年間産業保健師として活躍。
現在は、当運営会社 株式会社セントラルメディエンスで、
産業医ラボ.comの専属保健師として活躍している。

 

産業医ラボ.comでは、保健師・精神保健福祉士によるメンタルヘルス相談窓口を開設しております。
睡眠改善インストラクターによる睡眠改善相談や、
薬剤師によるお薬相談も承っておりますので是非ご活用下さい!!

 
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