COLUMN

仕事のストレスや心の疲れを対処する「ストレスコーピング」とは?企業におけるコーピングの必要性と実践方法を当社専属の精神保健福祉士が紹介します!

仕事のストレスや心の疲れを対処する「ストレスコーピング」とは?企業におけるコーピングの必要性と実践方法を当社専属の精神保健福祉士が紹介します!

仕事のストレスや心の疲れを対処する「ストレスコーピング」とは?

企業におけるコーピングの必要性と実践方法を当社専属の精神保健福祉士が紹介します!

 

私たちは日々さまざまストレスに晒され心や身体に色々な影響が生じています。
「ストレスコーピング」を学んで、ストレスをうまく対処できる方法を身につけましょう!
さらに、企業におけるコーピングの必要性から実践できるコーピング方法をご紹介します。

 


 

■ストレスとは?

そもそも「ストレス」とは、外部環境からの刺激(ストレッサー)により、心身に有害な反応(ストレス反応)が起こる過程をストレスと呼びます。
ストレスに至る段階は次のようなものになります。

ストレスの種類

受け止める人によって異なる「認知」の段階でストレスの反応が大きく変わります。
例えば、適度な緊張感を保って仕事に取り組める人もいれば、過度にプレッシャーを感じて本来の能力を発揮できない人もいます。同じストレッサーでも捉え方によって良いストレスにも悪いストレスにもなるということです。
そのため、ストレッサーやストレス反応をうまく対処し、心身への負荷を減らしたり、良いストレスへと促したりするためにストレスコーピングが必要になってきます。

 

■ストレスコーピングとは?

ストレスコーピングとは、直訳すると「ストレス対処法」となり、ストレスの基でありストレッサーの対処をするための行動を指します。ストレスに直面したとき、その受け止め方、およびストレスコーピングをうまく実施できるかがストレス反応に大きく影響してくるといっても良いでしょう。
ストレスコーピングには、代表的な2種類のコーピングがあります。

①問題焦点型コーピング

問題焦点型とは、ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体の問題を取り除いたり、変化させたりして解決する方法です。この方法は、自分の働きかけや周囲と協力することにより、ストレスフルな状況から抜け出すことを目指します。例えば、対人関係に問題がある場合、その相手と距離を取ったり、関係を断つことで問題を解決する方法です。

②情動焦点型コーピング

情動焦点型とは、ストレッサー自体に焦点を当てるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとする方法です。例えば、新しい部署に異動になり気が重いと感じた場合、今回の異動は自分の能力が期待されているからだと捉え方を変換させます。問題そのものの解決が難しい、解決に時間がかかるなどの場合に適しています。

 

企業におけるコーピングの必要性と実践方法

コロナ禍以前から、仕事や職業を原因として強い不安やストレスを感じている労働者の割合は増加傾向にあり、さらに、メンタルヘルス不調による通院、休職、あるいは自殺する人も増えていることから企業で働く従業員のメンタルヘルス対策としてコーピングが必要とされています。
では、企業が実践できるストレスコーピングはどのような方法があるでしょうか?

①定期的なストレスチェックの活用

過度なストレスを抱え続けると心身の不調となって現れ、休職や離職に発展しかねません。ストレス自体は目に見えないことも多く、本人さえ気付いていない人も多いです。そのため自身のストレス状況を可視化できるストレスチェックを活用することで、メンタルヘルス不調のリスクが高い従業員には面談やカウンセリングなどの、ストレスコーピングの機会を提供することができます。

②気軽に相談できる窓口をつくる

企業内や外部委託でも良いので従業員が抱えている悩みを気軽に相談できる窓口を設けることです。何かしらのストレスを抱えている状態で、誰か信頼できる人に相談したり、愚痴として話してガス抜きをすることで初期段階で対処できれば、深刻な事態を避けることもできます。

③セミナーや社内研修を行う

メンタルヘルスに関する知識やハラスメントに関する研修などのセミナーや社内研修を行うことも一つの方法です。新入社員向けのセルフケア研修や管理職向けのラインケア研修などメンタルヘルスやコーピングについての研修を実施することでメンタルヘルス対策を行うことができます。

 

■まとめ

今の世の中において全くストレスが無い状態は、ほとんどないと言っていいでしょう。そんなストレス社会の中で生きていくためには、ストレスをうまく対処するストレスコーピングを実践していくことが重要です。
企業にとっては、従業員がコーピングを身につけることで、生産性の向上や人材確保にもつながります。
自社でできるコーピング方法を活用していきましょう。


 

■ 執筆 ■
大澤 海実
おおさわ あみ

株式会社セントラルメディエンス
産業医ラボ.com専属精神保健福祉士

入社前は精神科のクリニックにて
AC(アダルトチルドレン)やaddiction(依存症)の患者を対象に
数多くの生活相談を受ける。
現在は、当運営会社 株式会社セントラルメディエンスで
産業医ラボ.comの専属精神保健福祉士として活躍している。
主に従業員・一般個人のメンタルヘルス相談や
ストレスチェックに関する企業へのサポート業務を担当。

「大澤先生の一問一答」
https://sangyouilabo.com/category/qanda/

 

 産業医ラボ.comでは、
保健師・精神保健福祉士によるメンタルヘルス相談窓口を開設しております。
薬剤師によるお薬相談も承っておりますので是非ご活用下さい!!

  
メンタルヘルス・お薬相談ROOMはこちら↑

関連記事

  1. 高齢者だけじゃない!若い人でも発症する「若年性認知症」
  2. 今春にも新型コロナウイルス感染症が「2類相当」から「5類」に引き下げへ!5類になると今までとどう変わる!?メリット・デメリットをご紹介します。 今春にも新型コロナウイルス感染症が「2類相当」から「5類」に引き…
  3.  毎月22日は禁煙の日 加熱式たばこは害がない?当社専属保健師が〝紙たばこと加熱式たばこの違い〟を解説 毎月22日は禁煙の日 加熱式たばこは害がない?当社専属保健師が〝…
  4. 女性を悩ませる、月経前症候群(PMS)とは? チェックシートで確認!症状や治療法について紹介します。 女性を悩ませる、月経前症候群(PMS)とは? チェックシートで確…
  5. 5月31日は「世界禁煙デー」 女性の喫煙による影響や、禁煙したら太るのはどうして? 当社専属の保健師が回答します! 5月31日は「世界禁煙デー」 女性の喫煙による影響や、禁煙したら…
  6. コロナ禍でのテレワーク環境を見直してみましょう!!
  7. ストレスが限界に達したときに出る“メンタルヘルス不調”の症状とは…
  8. 日焼け止めに書いてある「SPF」と「PA」ってどう見るの? 梅雨明け目前の紫外線対策!あなたにあった日焼け止めの選び方や効果的な塗り方もご紹介します。 日焼け止めに書いてある「SPF」と「PA」ってどう見るの? 梅雨…

Facebook

最新の記事

  1. “睡眠の秋”がやってきた! ひどい「いびき」は他の病気のサイン!? 睡眠時無呼吸症候群など、いびきに潜む病気について紹介します。
  2. 9月18日は敬老の日です。 「骨粗しょう症」を予防するためにはどうすればいい? 食生活のポイントについても解説します。
  3. 9月20日より、新型コロナワクチン「令和5年秋接種」スタート 接種対象者は、初回接種を終えた6か月以上の方全員! 感染者数が急増の今、新型コロナワクチン接種についておさらいしよう。

おすすめ記事

  1. 【大澤先生の一問一答】
  2. 今年もピーク到来、日本人の約3人に1人を悩ます「花粉症」 簡単チェックでセルフ対策を! 今注目されている治療法や予防について紹介
PAGE TOP